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山盛りな家事育児。仕事を減らしても忙しい

お腹が大きくなるにつれ、産後の休暇のことも考慮して私は請負中の仕事を徐々に減らしていきました。そうすると必然的に収入も減っていきましたが、そのときの私は、(比較するのも難しいけれど)目先の収入よりも自分の都合でスケジュールを確立しにくい子育て業に比重を置いていました。というわけで、せっかく勉強したWEBについても仕事として実践したいけれどこの時期に自ら仕事を開拓しようと動き回ることは難しかったので、出産までの期間は単発の仕事を受託できるクラウドソーシングを利用して細々と実績を積んでいました。

そして、あの東日本大震災のあった同月の末日に、余震でグラグラ揺れる病院で無事に出産。またひとり家族が増え、新たな生活のスタートです。仕事を休んでいる間も、他にやることは盛りだくさん。自分ひとりだとさっさと支度できることも、プラス幼子3名となるとお出かけひとつとっても一苦労です。プライベートで忙しくはありましたが、しあわせな疲れを堪能して過ごした時期でした。

産休育休制度なし、長期で休むなら上の子は保育園を辞めることに?

末っ子は早生まれなので、仕事復帰は1歳を迎えた翌年の春にしようと考えていたものの、「いや、待てよ」と。そう、誰かに雇われているわけではないのでそもそも私には産休育休制度が存在しません。問題は、私の暮らす地域では、「産後2ヶ月で復帰しなければ、上の子は保育園を退園になる」ということでした。上の子2人が継続して通園するには、早く仕事を開始しなければならなかったのです。
そんなわけで、産後わりと早い段階でPCを立ち上げ、ぼちぼち仕事を開始することになりました。幸い、末っ子は家にいても日中よく眠ってくれたので私も仕事に集中することができました。

徐々にエンジンをかけ、新たな仕事に挑戦

クラウドソーシングを利用して仕事をしている頃はインターネットを介してのやり取りがほとんどだったので、日中は末っ子と会話にならない会話をする程度で普段は黙々と机に向かって仕事をしていましたが、時には私も一人で外出する必要があり、週に数日ほど末っ子を近所にできた認可外の保育園に預けて身動きしやすいスタイルに徐々に変えていきました。
そのうち新しい仕事にも挑戦することになりました。普段は自宅で仕事をし、そこのチームのメンバーとはSkypeなどを通じてそれぞれの拠点から打ち合わせしたり(PC画面も共有できるので便利でした)、時折皆で集まって話し合ったりという仕事の進め方をしていました。

また、翌春には末っ子も認可の保育園に入園することができました。残念ながら上の子たちとは別々の園だったために大きな行事も複数回。今月は週末運動会だらけだな(上の子が小学生になってからは月に3回!)ということもありましたが、それはそれで楽しく、園同士が隣接していたことや融通がきいて先生方も臨機応変に対応してくれるので結果的に良かったです。

委託から雇用へ。組織の中でノウハウを学ぶ

ある時、別の請負先から、WEB担当者がいないので困っているとのことで、新たにお仕事をいただくことになりました。html仕様からCMSを導入したサイトへリニューアルするためのディレクションを担当し、リニューアル後もコンテンツの編集や更新業務などを行いました。はじめは定期的に伺う形で仕事をしていましたが、諸々と関わりが多くなるにつれ常駐するようになりました。
そこでふと、自分自身にフリーランスとしての先のビジョンがないことに気づきます。状況に応じて働き方を変えるという流れの中で起業を選択したものの、これから何を目指すのかが不明確で、今のままではこの先ひとりで継続するのは難しいとも感じていました。ちょうどそのタイミングで、「委託」から「雇用」へと就労の契約形態が変わったことで、組織の中で自分の役割を果たしながらノウハウを学ぶのもアリだなと、頑張ることにします。そして個人での活動はここで一旦休止することになります。経理や保険関連も会社がやってくれるために、その点は楽になりました。
はじめはWEBやその他の制作物を担当していましたが、そのうち事業の企画を担当するようにもなりました。外部への依頼やスケジュール調整、イベントの企画運営をはじめ、発行物のための取材編集などたくさんのことに関わらせてもらい、その中でメインの担当をしたのが女性の創業支援事業でした。起業を目指す人々に向けて、学びや相談、実践、交流の場を提供してサポートするお仕事です。運営を通じて関わった参加者の皆さんは、私のような子育て期の方ばかりではなく、ひとり親の方、子育てもひと段落した方、介護中の方、就業中だけど仲間と組んで独立を考えている方などいろんな状況下で起業を選択した方がいて、業種も展開方法も多種多様。私もヒアリングしながらエネルギーをたくさんもらえたし、実際に起業して次のステップに向けて頑張っているという報告や感謝の言葉をもらった時は嬉しくもありました。
そして仕事を通じて、多くの経営者や専門家、行政や創業支援機関の方とお会いする機会をいただいて、勉強にもなり、仕事の面白さを感じていました。

フリーランスとして再始動。

そんなこんなで組織の中で働いて、気づけば5年経っていました。これまでの仕事を介してつながった専門家の方、フリーランスの友人や知り合いなど周囲に相談できる人たちも増えてきて刺激となり、起業支援という仕事を続けながら「次は自分の番だ」と勝手に思うようにもなっていました。自分でやるならこんな展開をしてみたい、とリサーチしながら少しずつ準備を進め、長年お世話になった職場を退職し、2017年、再びフリーランスとして活動を始めました。
いつだったか、「大変な時期は必ずある。辞めたらそこで終わるけど、細々とでも、少しずつでも働き(学び)続けていたら、積み重なってキャリアになるよ。いつか振り返ったときに、あの時やっていて良かったって思えるから」と、ある方に言われたことがあります。

動きづらい時期に勉強したことや、働き方を変えながらそこで吸収したことが、この先活かせますように。自分を鼓舞しながら、今、走り始めたところです。